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『村上ラヂオ』(文:村上 春樹、画:大橋 歩) [2011年の読書]

2011年の(n+4)冊目

村上ラヂオ

村上ラヂオ

  • 作者: 村上 春樹
  • 出版社/メーカー: マガジンハウス
  • 発売日: 2001/06/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


 この本は『anan』No.1208(2000年3月17日号)~No.1259(2001年3月3日号)に掲載された同名の連載から抜粋、加筆修正してまとめたもの、と巻末にある。

 50の短い(4ページ)文章から成る、リラックスできるエッセイ。
 ひとつひとつで完結した文章なので、「寝る前にちまちま読んで眠くなってきたら寝よう」と思って読みはじめたのだが、ついつい「眠いけどおもしろいからもう1編だけ読もう」というのを複数回くりかえして、3日で読み終えてしまった。「まあ1編まあ1編と、たいがいにしとかなかんよ。村上さんもいかんわ、うますぎるもん」(@鎌倉ハム)という感じだ。

 どこかで見た話だけど、作家を料理人に喩えると、おもしろい作品(おいしい料理)というのは3つのタイプにわかれるらしい。珍しい素材を使っているか、調理法がおそろしく秀でているか、その両方か。でも珍しい素材というのはなかなか手に入らないものであり(だからこそ珍しい)、長い年月をかけて取材しなければならない。だから優れた作家とは、基本技術が非常にうまい作家のことである、という感じだった。包丁捌きがうまくないと、おいしい料理をコンスタントに作ることはできない。ホームランはたまにあっても、ヒットは打てない。

 村上春樹はありふれた日常的な素材を調理するのがうまい、というか、そういう文章が読んでて楽しい。

 この本みたいな、なにげないエッセイの中に、さらりと教訓めいたことが書いてあると、なぜかよく心に残る(ことがある)。ひとつだけ抜粋しておく。

 かなりの確信を持って思うんだけど、世の中で何がいちばん人を深く損なうかというと、それは見当違いな褒め方をされることだ。そういう褒め方をされて駄目になっていった人をたくさん見てきた。人間って他人に褒められると、それにこたえようとして無理をするものだから、そこで本来の自分を見失ってしまうケースが少なくない。
 だからあなたも、誰かに故のない(あるいは故のある)悪口を言われて傷ついても、「ああよかった。褒められたりしなくて嬉しいなあ、ほくほく」と考えるようにするといいです。といっても、そんなことなかなか思えないんだけどね。うん。(p.189)

 7/7発売の『村上ラヂオ2』がたのしみだ。
 
おおきなかぶ、むずかしいアボカド 村上ラヂオ2

おおきなかぶ、むずかしいアボカド 村上ラヂオ2

  • 作者: 村上 春樹
  • 出版社/メーカー: マガジンハウス
  • 発売日: 2011/07/07
  • メディア: 単行本



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